現在の方法で洗濯一回分の五工程と往復を記録し、往復が最も多い一工程だけ、家にある物で仮に近づけます。次の1〜3回、一週間になる前に見直し、合わなければ元へ戻します。
洗濯動線を短くする最初の一手は、ランドリールームの改装や収納用品の購入ではありません。普段どおりの洗濯一回分について、集める→洗う→干す・乾かす→外す→しまうの移動経路と往復の回数を記録します。そのうえで、最も往復が多い一工程だけを選び、家にある空のかごやハンガーを作業場所の近くに寄せて、次の数回だけ試します。
この記事では、歩く経路と物の配置だけを扱います。手を動かす時間、待ち時間、家族の担当を減らしたい場合は、洗濯を時短するコツをご覧ください。
先に結論:往復が多い一工程だけ近づける
最初から洗面所、物干し場所、各部屋の収納を全部変えようとしないでください。今の配置で洗濯一回分がどう動いているかを、五つの工程に分けて見ます。
- 集める:今回洗う物を集め、洗う場所に運ぶ
- 洗う:洗濯機などで、普段の方法どおりに洗う
- 干す・乾かす:今回選んだ方法で、乾かす工程に移す
- 外す:乾いた物を物干しや機器から取り出す
- しまう:今使っている場所に戻す
この記事で数える「往復」とは、ある工程の作業場所から、洗濯物や道具を取りに別の場所へ行き、またその作業場所に戻ってくる動きのことです。たとえば、干す場所からハンガーを取りに別の部屋へ行き、また干す場所に戻れば、一往復として印を付けます。
洗濯物を洗う場所から干す場所に運ぶような、次の工程に向かう一方向の移動は、経路に矢印で残しますが、往復の数には加えません。経路と往復を分けて数えると、「距離は長いけれど一度運べば済む工程」と「近くても何度も取りに戻っている工程」を見分けられます。
洗濯動線は、路線図の乗り換えを一つずつ確かめる作業に似ています。路線全体を引き直さなくても、戻りが多い乗り換えを一つ見つければ試せます。ただし、このたとえは経路の見える化だけのものです。重さ、階段、濡れた床、避難経路、機器の使用条件は、往復数より優先してください。
始める前に、一回分と終了状態を決める
記録単位は、家族一人分ではなく、いつもの洗濯一回分です。家族別の枚数や歩数を比べて、だれの洗濯物が多いかを評価しません。
一回分を始める前に、各工程の終わりを短く決めます。
| 工程 | 終了状態の書き方 |
|---|---|
| 集める | 今回洗う物が、洗う場所にそろった |
| 洗う | 洗濯が終わり、乾かす工程に移せる |
| 干す・乾かす | 今回分を、いつもの乾かし方に移し終えた |
| 外す | 乾いた今回分が、戻す作業を始める場所にそろった |
| しまう | 今回分が、今使っている場所に戻った |
この終了状態は、担当した人を責めるための採点表ではありません。工程の途中で担当が変わっても、次の人がどこから始めればよいか分かるようにするための境目です。
記録のために普段より多く歩いたり、危険な経路をわざわざ再現したりしないでください。階段、段差、重い物を運ぶことなどが気になる場合は、実際に繰り返さず、「ここを通る」と矢印だけ書けば十分です。
洗濯動線を見直す3ステップ
1. 一回分の経路と往復に印を付ける
紙や共有メモに五つの工程を書き、普段どおりに洗濯を進めます。移動するたびに、次の二種類で記録します。
- 次の工程に進む一方向の移動:
→ - 道具や洗濯物を取りに行き、同じ工程の場所に戻る移動:
往復の欄に正の字や印を一つ
工程ごとの記録欄は、次の形で十分です。
| 工程 | 始めた場所 | 移動した場所 | 戻った場所 | 往復の印 | 運んだ物 |
|---|---|---|---|---|---|
| 集める | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 実際の回数 | 今回分 |
| 洗う | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 実際の回数 | 洗剤等 |
| 干す・乾かす | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 実際の回数 | ハンガー等 |
| 外す | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 実際の回数 | 乾いた今回分 |
| しまう | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 自宅で記録 | 実際の回数 | 乾いた今回分 |
歩く速度や距離を測る必要はありません。途中で別の家事をした場合は、洗濯のために移動した部分だけを記録します。思い出せない矢印があっても、一回分をやり直さず空欄で構いません。
2. 往復が最も多い一工程を選ぶ
五つの工程の往復の印を数え、最も多い一工程に丸を付けます。家族ごとの洗濯量や、だれが多く歩いたかでは選びません。
同じ回数の工程が二つある場合は、次の3条件をすべて満たす方を一つだけ選びます。
- 家にある物一つの仮配置で試せる
- 廊下、避難口、出入口、階段を使わず、家族の通行を妨げない
- 濡れた洗濯物の保管や、機器の使い方の変更を伴わない
どちらも安全に試せない場合は、今回は配置を変えません。経路の記録だけを残し、別の洗濯一回分で再確認します。
美代は、家族ごとの洗濯物を数える欄を作りかけていました。しまるはその欄を使わず、一回分の五つの工程と往復だけが見える紙に置き換えます。
美代
洗う場所と干す場所が離れていて、何度も往復している気がするの
しまる
まず一回分に印を付けよう。いちばん遠い所ではなく、取りに戻る回数が多い一工程だけを試すんだ
美代
記録してから、家にある空のかごを一つだけ動かしてみるね
3. 家にある物を一つだけ仮配置する
丸を付けた工程で、何を取りに往復したかを見ます。動かすのは一つだけです。
| 往復した物 | 仮配置の考え方 |
|---|---|
| 空のかご | 次に使う工程の近くに、空のまま一つ置く |
| 使用中のハンガー | 干し始める場所の近くに、今回必要な分だけ寄せる |
| 乾いたタオル | しまう往復がいちばん多いなら、一回分だけ使う場所の近くで試す |
| 工程のメモ | 担当が変わる場所に、終了状態だけを書いた紙を置く |
これは、ずっと使う収納場所を決める作業ではありません。新しい棚、かご、ハンガーなどは買わず、今家にあって、ほかの用途を止めずに済む物だけを使います。
仮配置は次の洗濯1〜3回だけ試し、始めてから一週間になる前に見直します。この回数や期間は、往復が減る効果を保証する基準ではありません。仮置きがいつの間にか定位置になってしまう前に、元に戻すか、続けて考えるかを決めるための区切りです。
試した後は、同じ工程だけをもう一度記録します。
- 往復の印が減ったか
- 別工程の往復が増えていないか
- 通行、出入口、ほかの家事を妨げていないか
- 家族が工程の終了状態を同じ意味で読めるか
往復が変わらない、探す手間が増えた、通行の妨げになったという場合は、元の場所に戻します。仮配置が失敗だったと考えず、その物は往復の原因ではなかったと分かった記録として残してください。
家族とは工程の完了単位で共有する
「洗濯を手伝って」だけでは、集めるところまでなのか、しまうところまでなのかが分かりません。一回分を五つの工程に分けて、担当してもらうときは終了状態まで共有します。
たとえば「集める担当」は、今回洗う物が洗う場所にそろったら完了。「外す担当」は、乾いた今回分が戻す作業を始める場所にそろったら完了、とします。担当の名前や一人あたりの洗濯量で順位を付けず、次の工程を始められる状態になったかどうかだけを見ます。
家族が同じ工程を担当しても、歩幅や運べる量は違います。往復数を個人の効率や協力度の評価に使いません。重い一回分をまとめて運ぶよう求めず、各自が安全に扱える範囲を優先します。
失敗しやすいポイントと戻り方
ランドリールームの改装から考える
一回分を記録する前は、どの工程の往復が多いのか分かりません。改装、棚の追加、収納用品の購入は後回しにして、まず今ある配置を記録します。仮配置で往復が変わらなければ、大きな変更に踏み切る前に元に戻せます。
二つ以上の工程を同時に変える
かご、ハンガー、タオルの場所を一度に変えると、どの変更で往復が変わったか分かりません。最多の一工程、一つの物だけを動かします。別の工程は次の記録まで保留します。
通路や出入口を仮置き場にする
東京消防庁は、避難口の廊下や出入口付近に物を置かないよう案内しています。空のかごであっても、廊下、避難口、出入口、階段には置かないでください。家に安全な仮置き場所がなければ、配置を変えずに記録だけで終わりにします。
濡れた洗濯物を密閉して置く
この記事の仮配置で対象にするのは、空のかご、使用中のハンガー、乾いた洗濯物です。濡れた洗濯物を密閉できる容器に入れて保管する方法は紹介しません。洗い終わった物は、いつもどおりの干す・乾かす工程に移してください。
湿気、カビ、乾燥時間、換気効果の数値はこの記事では扱いません。乾かし方を変えるのではなく、移動経路と往復だけを見直します。
今日の一手:次の洗濯一回を五行で記録する
紙に「集める・洗う・干す/乾かす・外す・しまう」の五行を書きます。次の洗濯一回は配置を変えないまま、移動は矢印で、同じ工程に戻る動きは往復の印で残してください。
いちばん往復が多い工程に丸を付けたら、今日は終了です。通路や出入口をふさがず、家にある物一つだけで試せる場合に限り、次の洗濯から仮配置を始めます。安全な仮置き場所がない、重さや階段が不安、濡れた床や機器の異常がある場合は配置を変えず、記録だけで止めてください。
Today’s stopping line
今日の一手ノート
今日ここまでにしたことを一行だけ残せます。記録はこの端末のブラウザ内だけに保存され、サイト運営者やアクセス解析へ送られません。
よくある質問
洗濯動線は最初にどこを測ればいい?
普段どおりの洗濯一回分について、集める、洗う、干す・乾かす、外す、しまうの順に移動経路を書き、道具等を取りに行って同じ作業場所へ戻った往復を工程ごとに数えます。
往復が同じ回数の工程が二つあるときは?
通路をふさがず、家にある物一つの仮配置だけで試せる工程を選びます。二工程を同時に変えず、一つ試してからもう一度記録します。
家族の洗濯物が多い人から見直す?
人別の量では決めません。世帯の洗濯一回分を記録し、担当は『集めた物が洗濯機前にそろった』等、工程の完了状態で共有します。
仮配置はいつまで続ける?
次の1〜3回だけ試し、開始から一週間になる前に見直します。この期間は効果を保証する基準ではありません。往復が減らない、別の手間や通行の妨げが増える場合は元へ戻します。
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